岩手県盛岡市の市民に親しまれた象徴的な木が姿を消します。台風19号の強風で倒れた、石川啄木ゆかりのシダレヤナギの撤去作業が始まりました。
(リポート)
「盛岡市民に親しまれていた鶴ケ池のシダレヤナギ。根元から折れてしまっています。きょうから撤去が始まります」
盛岡市内丸にある鶴ケ池のシダレヤナギは、10月13日の未明に県内に最接近した台風19号の強風で2本が倒れてしまいました。大木は池に倒れ込んだままの状態になっていましたが、2日午前9時過ぎから業者による撤去作業が始まりました。市によりますと鶴ケ池のシダレヤナギは戦後に植えられたとみられ、2本のうち1本は盛岡市出身の歌人、石川啄木がかつて東京の銀座に勤めていたことが縁となり贈られた「銀座の柳」と呼ばれる柳の木でした。この2本のほか、一昨年の診断で幹の空洞化が判明し、倒木の恐れがあるシダレヤナギ1本も合わせて撤去が進められています。四季折々に様々な表情を見せてくれたシダレヤナギ。街の人や観光客からは撤去を惜しむ声が上がっています。
(街の人は)
「無くなるんですか、これ。さみしいですよね。池と一緒に写真撮ると結構きれいだったので、秋とか。無くなると風景変わるので、そういう写真が撮れなくなるのは嫌ですよね」
(東京から訪れた人)
「東京からここに来て3回目くらいなんですけどね、さびしいですよね、ずっと木があったので。残念ですよね、歴史がある木だと思いますので」
シダレヤナギの撤去作業は3日まで行われます。